主に平衡機能に異常が発生し、めまいが起こるのだか、平衡感覚には様々な器管が関係しているためその要因も様々だ。めまいの原因が耳や脳の場合もあれば、全身の場合もある。
また、器管その物には何の問題もなくストレス性めまいというのもある。一様に原因を上げてみると下記のようになる。
血液循環障害は血圧と頚椎との関係が強い。肺を発した血流は椎骨動脈を通って脳へと運ばれるのはご存じだろう。めまいと特に関係するのが、この交感神経によって調節されている椎骨動脈の血液の流れだ。
この動脈で高血圧、あるいは低血圧、また、場合によっては糖尿病などの粘度の高い血液によって左右の堆骨動脈の流れに差ができ、左右の堆骨動脈の合流の際に血液の流れに乱れが発生しめまいを起こす。この血流の不均衡によるものは、首周りの筋肉の緊張や頚椎の歪み、寝不足からも誘発される。
末梢性のめまい(脳以外を抹消という)もやはり循環との関係を捨てきれない。ウイルス起因の前庭(耳石器)神経炎や、外リンパ液が中耳にもれて、外リンパなどを別とし、リンパの循環不全により症状を起こす場合が多い。 三半規管と耳石器はリンパ液に満たされている。 そのため、その循環に異常が生じると過剰に頭の回転や揺れを感じ取ることとなるのだ。 めまいを発症する病気として主に有名なのが、メニエール病だろう。
メニエール病ほどあいまいに扱われている病名もないが、その正体は内リンパ水腫(リンパ液が増え、ライスネル膜が前庭階を圧迫する状態)と言われている。 しかし、内リンパ水腫は、内耳炎や側頭骨骨折、髄膜炎などの後にも発生するため、メニエールと断定するには病歴で内耳炎などがないことを確認する必要がある。
メニエールは抹消性の内耳に強く関わり、蝸牛も圧迫してしまうために発症中に、あるいは回復後、耳鳴りや難聴が発生してしまう場合が多い。ストレスが内リンパに影響を及ぼすため、メニエールには真白面で几帳面な人がかかり易い。
心因(ストレス)による場合、特に加齢によって引き起こされるものも多い。 年をとると睡眠パターンも変わり、熟睡が難しくなってくる。 その睡眠不足により、ストレスがたまり更に睡眠は困難となってしまう。 すると、血圧、代謝、内分泌機能、免疫機能に大きな影響を与え、脳への循環に悪影響を及ぼしてしまう。
また、高齢であると血圧の変動もし易くなり、少しの影響や緊張だけで瞬間的に血圧を上昇させ、めまいへとつながってしまうのだ。
中枢性のめまいの場合は、脳出血や脳梗塞、脳腫瘍などが主なものだ。 脳の中枢部分をゆっくりと圧迫するため、最初はふわふわとした動揺性のめまいであることが多く、病状の進行により、急速に悪化、その他に強い吐き気や頭痛、意識の混濁、消失、手足の運動障害、言葉がしゃべれないなどの症状を発症する。この場合、生命の危険信号となるので、速やかに病院へ行く必要があるだろう。
ここまで説明しためまいで、その殆どに「自律神経失調症」が関係する。平衡感に関わる脳幹が障害を起こすと、自律神経も失調し、血圧や呼吸の調節に乱れが生じる。また逆に、自律神経が失調することにより、脳幹から各部つながる器管、小脳や大脳、そして内耳などにも影響を及ぼしてしまう。
つまり、自律神経との相互関係により殆どのめまいは発症するのである。
以上、自律神経との関係についてお伝えした。このページの内容を理解した上で、引き続き次の「めまいの改善法」のページを読んでもらいたい。